みなさん、こんにちは。すばるです!
突然ですが、みなさんはミステリーはお好きですか?
僕はミステリーはめちゃくちゃ好きで、よくミステリー小説を読みます。
しかし、一方で、「ミステリーは怖いから…」と遠慮してしまう方も多いと思います。
好きな人もいれば苦手な人もいるミステリーというカテゴリー。
今日は、ミステリーが苦手という方にもオススメできるミステリー小説の方をご紹介していきたいと思います。
それがこちらの乙一さんの『暗いところで待ち合わせ』です。
個人的評価
・読みやすさ:☆☆☆☆☆
・興味深さ:☆☆☆☆☆
・オリジナル性:☆☆☆☆☆
・再読したい:☆☆☆☆☆
・知識:☆☆☆☆☆
総合評価:A
※あくまで個人的評価です。
総合評価についてはS~Dまでで評価しています。
内容
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らないふりをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった—。書下ろし小説。
(裏表紙)
交通事故が原因で三年前から次第に光をうしなっていったミチル。
先輩である松永トシオと後輩である若木からのいじめによって、職場の人間関係に悩んでいたアキヒロ。
松永と同じ駅のホームを使っていたアキヒロだが、ある日松永がホームに落ちて即死してしまい、殺人の容疑をかけられてしまう。
盲目の女性と殺人容疑の男の奇妙な同居生活。
殺人事件の犯人は本当にアキヒロなのか?
この作品はあなたをきっと幸せな気持ちにする。
怖くて優しいミステリー
感想
読み終わった後の感想としては、とてもほっこりした気持ちになりました。
もちろんミステリー要素はあるのですが、それ以上にミチルとアキヒロ、2人の同居生活の中にあふれる温かさを感じました。
最初はアキヒロの存在に気付かぬふりをしていたミチルでしたが、2人は次第に言葉も視線も交わさないままに互いを近くに感じていきます。
そこには何とも言えない優しさと温かさにあふれています。
お互いに心の奥底に孤独を感じる2人だからこそ、盲目の女性と殺人容疑の男という奇妙な同居生活が成り立ったのかもしれません。
さて、ミステリー小説ということなので、ミステリー要素についても少し触れます。
内容の部分で触れたように、
「殺人事件の犯人がアキヒロなのか?」
これがこの小説のミステリー要素です。
正直、ミステリー部分については、あっと驚くトリックや予想もしない結末は特にないと個人的に感じました。
しかし、伏線部分などもしっかりあり、きちんと納得できるものとなっていました。
おそらく作者の乙一さん自身もミステリー要素よりも、ミチルとアキヒロの2人の独特の距離感をメインに書きたかったのではないかと思います。
やや設定で気になる部分もありましたが、読み終えた後に温かい気持ちにさせてくれる買って満足のミステリー小説でした。
最後に、本書をオススメしたい人を紹介して終わろうと思います。
〇本書をオススメしたい人
・ミステリー好きの方
・ミステリーは苦手だけど、挑戦してみたい方
・乙一さんのファンの方
・ほっこりした気持ちになりたい方
このような人はぜひ本書を手に取って読んでみてください。