本日は伊坂幸太郎さんの作品、『死神の精度』の書評記事を書いていきたいと思います。
本屋大賞第3位にも選ばれたことのある本作品
伊坂さんの作品はどれも良い作品ばかりですが、こちらも相変わらずの名作となっています!
個人的評価
・読みやすさ:☆☆☆☆☆
・興味深さ:☆☆☆☆☆
・オリジナル性:☆☆☆☆☆
・再読したい:☆☆☆☆☆
・知識:☆☆☆☆☆
総合評価:A
※あくまで個人的評価です。
総合評価についてはS~Dまでで評価しています
内容
〇目次
死神の精度
死神と藤田
吹雪と死神
恋愛で死神
旅路を死神
死神対老女
①CDショップには入りびたり②苗字が町や市の名前であり③受け答えが微妙にずれていて④素手で他人に触ろうとしない——そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生
人間の死の可否を判定する
死神が出会った
6つの人生
死神は彼らの人生に、可(死)の判決を下すのか?見送りの判決を下すのか?
死神と彼らの一週間の物語
※基本的にそれぞれの物語は独立していますが、一部繋がりのある物語同士もあります。
感想
死神が主人公である本作品。
一見、”死”という重いテーマを取り扱っているようにも見えますが、実際は悲壮感が漂うことなく、どこか軽やかさを感じるのが、本作品の特徴です。
1つ1つの物語が短く、非常に読みやすい作品であることも、この特徴を助長していると言えるでしょう。
さて、本作品の良さですが、何よりおもしろいのは、やはり主人公の千葉ですね。
余計なことはせず、人間の死にもまるで興味がないものの、死神としての仕事(人間の死の可否の判断)は全うする千葉。
そんな千葉と人間の7日間の調査の中でのやり取りは、クスリと笑え、千葉の魅力に引き寄せられていきました。
死神ということもあり、人間との会話にどこかズレが生じる千葉ですが、そこがまたおもしろいです。
- ビーフステーキを見て「死んだ牛はうまいのか」と尋ねる。
- 「俺がこれから、もう一人、殺しに行くつもりだって言ったら、驚くか?」という問いに対し、「期待に応えられず、申し訳ないが… 驚かない」と答える。
などなど、この何とも言えないズレが、読み手を引き付けていくんでしょうね(笑)
では、本作品に出てくる僕の好きな名言を紹介させてもらい、締めようと思います。
人生なんていつ終わってしまうか分からないんだから、話は交わせる時にしておくべきだ。不躾だろうがなんだろうが。
(千葉)
死神という立場にある千葉だからこそ言えた言葉かもしれませんが、本当にその通りだなと思います。
人生というのはいつか終わりが来るもの
今の当たり前が当たり前であるうちに、伝えたいことは伝えておくべきなのかもしれませんね。
みなさんは、何か伝え残していることはありませんか?
最後に、本書をオススメしたい人をご紹介します。
〇本書をオススメしたい人
・伊坂幸太郎さん好きの方
・短編小説好きの方
・特徴的なキャラが好きな方
・テンポの良い作品を楽しみたい方
このような人はぜひ本書を手に取って読んでみてください。
⇓伊坂幸太郎さんのオススメランキング
