みなさん、こんにちは。すばるです!
本日は久しぶりに書評記事の方を書いていきます。
本日紹介するのは、宇山佳佑さんの作品『桜のような僕の恋人』です。
珍しく恋愛物の書評となりますが、本当に僕の大好きな作品で、好きな小説ベスト3に間違いなく入ります。
恋愛物には無関心という方も、まずはこちらの記事を最後まで読んで頂けると喜びます。
個人的評価
・読みやすさ:☆☆☆☆☆
・興味深さ:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・オリジナル性:☆☆☆☆☆
・再読したい:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・知識:☆☆☆☆☆
総合評価:SS
※あくまで個人的評価です。
総合評価についてはS~Dまでで評価しています。
内容
〇目次
第一章 春
第二章 夏
第三章 秋
第四章 冬
第五章 新しい季節
美容師の美咲に恋をした晴人。
彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指すことに。そんな晴人に美咲も惹かれ、やがて二人は恋人になる。
しかし、幸せは長くは続かなかった。美咲は、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまったのだった。老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲は……。桜のように儚く美しい恋の物語。
(裏表紙より)
美容師の美咲に恋をする晴人は彼女に小さな嘘をつく。
やがて、美咲のカットミスが原因で二人はデートに発展していくのだが、デート中に嘘を付いたことを告白し、美咲から叱責される晴人。
嘘を現実にするため、美咲に相応しい男になるため、晴人はカメラマンという夢に向かって再び走り出す。
そして、そんな晴人の姿に美咲も惹かれ、二人は恋人同士に。
しかし、幸せな時間はそう長くは続かなかった。
美咲は、人の何十倍もの早さで年老いる難病「ファストフォワード症候群」を発病。
治療法はなく、発症から一年足らずで老人になり死に至るという病気。
病気は非情にも二人の運命を切り裂いていき…
君と過ごした全ての季節を、僕は忘れない。
読むほどに涙があふれだす痛切な恋物語。
感想
本当に泣ける、涙があふれ出る作品
それが、この作品の一番の感想です。
序盤は二人の若者(僕からしたら年上ですが)のどこか初々しい恋模様が描かれていて、にやにやしながら物語を楽しむことができました。
大好きな美咲に真っすぐに思いをぶつける晴人と、そんな晴人に惹かれていく美咲。
”恋”っていいな~と思わせてくれるような入りからスタートした本作品。
物語が大きく動いたのは、美咲が自身の難病を知ってから。
もうここら辺からは涙なしには読み進められませんでした。
美咲の決断に涙して、
兄の思いに涙して、
周りの人の温かさに涙して、
辛い病気の現実に涙して、
残酷な運命に涙して、
もうどれだけ泣いたかも分からないくらい涙を流し、気が付けば本を読み終えていました。
普段、映画で感極まることはあっても、本ではなかなか泣かない僕ですが、本作品ばかりはめちゃくちゃに泣いてしまいましたね。
多分、本作品がここまで泣けるのは、いろいろな感情に揺さぶられるからなのかと。
悲しさや残酷さというのはもちろんですが、温かさや優しさ、そんな要素が散りばめられているのも読み手の心を突き動かすんでしょうね。
特に、美咲の兄の妹を思う気持ち、不器用さには、毎度泣かされちゃいました(笑)
大切な人のことを一途に思い続ける(ここでは妹、家族という意味ですが)というのは、本当に素敵なことだと改めて認識させられました。
また、本作品を読んでいく中で、”生”というものについても考えることができたように思います。
一分一秒、僕らは年をとって老いている。
でも、元気な僕らは、誰も自分が老いているなんて考えやしない。
日常が非日常に変わったとき、当たり前が当たり前でなくなったとき。
そのとき、僕らは初めて日常の、当たり前のありがたさを知る。
やりたいことができること、夢に向かって頑張れること、そして、生きていること。
何気なく生活していると、ついつい見逃しがちだが、これらは、実はとても尊いことなんだと本作品を読んで改めて思いました。
スッと引き込まれていき、私たちの感情を揺さぶってくれる本作品。
読み終えた後には、タイトルの意味にも涙すること間違いなしです。
本作品を読んで、涙で何もかも洗い流してみませんか?
最後に、本書をオススメしたい人を紹介して終わろうと思います。
〇本書をオススメしたい人
・恋愛物(純愛物)が好きな方
・泣ける作品を読みたい方
・心にモヤモヤを抱えている方
・今、好きな人や恋人がいる方
このような人はぜひ本書を手に取って読んでみてください。