数学ってなんだか小難しい…
そんな風に思っていませんか?
いえいえ、数学は意外と面白いことがたくさん秘められているのです!
今回は大学で数学を専攻する僕が、数学に対する小難しいイメージを払拭すべく、数学に関する面白い話をしていきます。
とりわけ、今回は数字に注目して話を進めていきます。
どれも日常生活で役に立つことはないかもしれませんが、これをきっかけに数学に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
知っておけば、明日ドヤ顔できるかも!
数字に関する面白い話

さて、それでは数字に関する面白い話をしていきます。
可能であれば、電卓(アプリ)、ペン、紙を用意して、手を動かしながら読んでもらえると、より数学の魅力が伝わると思います。
142857の持つ面白い性質について
突然ですが、142857と聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?
おそらく、多くの方は何その数字?って感じだと思います。
というか、142857を聞いて「あー。あれね!」となる方は、相当な数学好きの方or数学マニアの方ですね(笑)
実はこの142857という数、巡回数という非常に面白い性質を持った数なのです。
巡回数とは、2倍、3倍、4倍…と乗算したときに、その各桁の数を順序を崩さずに巡回させた数になる、整数のことである。ダイヤル数ともいう。
(Wikipedia)
上の説明だけではよく分からないと思うので、実際に計算してみましょう!
142857×1=142857
142857×2=285714
142857×3=428571
142857×4=571428
142857×5=714285
142857×6=857142
お気付きでしょうか?
どの計算結果も元の数字142857が順序を崩さずに巡回した数となっているのです。
さらに…
142857×7=999999
と、これまた面白い計算結果になります。
一見、ただの6桁の数字に見える142857。
実はこんなにも面白い性質を秘めているのです。
ちなみに、8倍以降についても『先頭の数を移動して一の位に加える』という工夫をしてあげるとこの性質が保たれます
例、142857×8=1142856
赤の部分を移動して紫の部分に足すと…
無事、142857となり、巡回数の性質を満たします。
巡回数については、142857以外にもいくつか存在するので、気になった方はぜひ調べてみて下さい!
1…1×1…1について
突然ですが、1×1=?と聞かれたらどうです?
おそらく多くの方は1と即答しますよね。
(馬鹿にしているわけではないですよ)
次に、11×11=?と聞かれたらどうです?
まずまずの方が、121と即答できるかと思います。
では、111×111=?と聞かれたら?
ここら辺から怪しくなってくる人多いですよね。
しかし、とあることを知っていれば即答できます。
それは、1…1×1…1に隠された対称性です。
実は、1…1×1…1の計算結果はきれいな対称性を持っているのです。
111×111の答え、こちらは12321となり、1・121・12321、どの計算結果も実にきれいな対称性を示しています。
このことさえ知っておけば、
1111×1111=?とか11111×11111=?
と聞かれても、
1234321、123454321といった具合に秒で回答し、ドヤ顔できるわけです。
(いつ聞かれるんだ?というツッコミについてはスルーさせてもらいます。)
このような対称性を得られる理由については、紙に筆算をすると、見えてくると思います。
ぜひ、この対称性の法則を覚えておき、友達に1…1×1…1=?と聞かれたら、秒で答えてドヤ顔しましょう!
ちなみに…
111,111,111×111,111,111=
12,345,678,987,654,321
と非常にきれいな形になりますよ!
ABCABCを1001で割ると…
さて、突然ですが、3桁の数を1つ思い浮かべてみて下さい。
今日が8月19日ということで、ここでは819を例にします。
思い浮かべた3桁の数を、もう1つ後ろにくっつけて6桁の数にしてください。
819819といった感じですね。
そしたら、その数(ここでは819819)を1001で割ってみて下さい。
すると…
819819÷1001=819
といった結果になります。
お気付きだと思いますが、自分が最初に思い浮かべた3桁の数が答えとなっています。
これはどの3桁の数についても同様の結果(自分が最初に思い浮かべた3桁の数)が得られます。
どうです、すごくないですか?
1001ってすげー。そう思ってもらえたら嬉しいです(笑)
それではネタバラシの方をしていきます。
A÷B=Cのとき、C×B=Aになるのは、多くの方がご存知だと思います。
10÷2=5のとき、5×2=10って感じですね。
これと同じ感じで、819×1001を考えます。
819×1001=819×(1000+1)
=819000+819
=819819
このように1001を(1000+1)と考え、分配法則を活用してあげると、このカラクリが見えてきます。
ABCABCを1001で割ったとき、答えがABCになる。
カラクリを知ってしまうと、すごく当たり前のように感じますね。
カプレカ数495について
さて、上と同様に3桁の数を思い浮かべてください。
ただし、今回は3桁とも別の数字にしてください。
せっかくなので、上の例で使った819を例に説明していきます。
3桁の数を決めたら、各桁を大きい順に並べた数Aと、各桁を小さい順に並べた数Bを用意しましょう。
今回の場合、Aが981、Bが189となります。
次に、A-Bを計算します。
981-189=792
計算し終えたら、同様の作業を繰り返します。
972-279=693
963-369=594
954-459=495
お気付きでしょうか?
495という数字が出てきました。
実は、各桁が異なる3桁の数を選んできた際に、今回の作業を繰り返すと、どんな数でも必ず495に行きつくのです。
ちなみに、これをカプレカ数と言います。
こちらもなかなかおもしろくないですか?
ぜひ、いろんな数で試してみて下さい!
496に隠された秘密
495に続いて496。
一見ただの3桁の数ですが、この数字には数学的に見て多くの魅力が詰め込まれています。
496に隠された秘密の方を紐解いていきたいと思います。
突然ですが、みなさんは完全数という言葉をご存知ですか?
厨二臭さあふれる言葉ですが、列記とした数学用語の1つです。
端的に説明すると、完全数とは、自分以外の全ての約数を足すと、自分自身の数になる数字のことです。
簡単なもので言えば、6は完全数です。
6の約数は1、2、3、6ですが、このうち6以外の数を足すと…
1+2+3=6と、自分自身の数になります。
試しに8でやってみると、8の約数は1、2、4、8であり、
1+2+4=7となり、8とは一致しません。
完全数はかなりレアな数字ですが、496も完全数に分類されます。
完全数がどれくらいレアかですが、小さい順に完全数を並べると6、28、496、8128、33550336…といった感じです。
数字の飛び具合から完全数のレアさは分かって頂けると思います。
496の約数は、1、2、4、8、16、31、62、124、248、496の10個ですが、これらのうち496以外の数をすべて足すと…
1+2+4+8+16+31+62+124+248=496となり、自分自身の数になります。
496は完全数であることに加え、約数の個数が10個とキリがいいことも数学的魅力の1つとされています。
ちなみに完全数については、現在、奇数のものは1つも見つかっていません。
見つけた方は、ぜひすばるまでご連絡を(笑)
また、496は31という素数とも深く関りがあります。
素数というのは、1より大きい自然数で、正の約数が1と自分自身のみである数のことです。
完全数ほどではありませんが、素数もそれなりにレアな数字です。
496と31の関り①
496を2で割り続けていくと…
496÷2=248
248÷2=124
124÷2=62
62÷2=31
と、最終的に31に行きつきます。
496と31の関り②
1から31までの数を全て足すと…
1+2+3+…+31=496
となります。
496と素数31の関係性、おもしろくないですか?
他にも496を二進数で表すと、
496(十進数)=111110000(二進数)
と、非常にきれいな形になるといった特性も持っています。
一説には、宇宙の真理を表す数字とも言われている496。
調べてみると、他にもおもしろい情報がたくさん出てきそうですね。
最後に

今回は数字に関する面白い話を記事にしました。
数学好きの方はもちろん、数学嫌いの方にも楽しんでもらえたら嬉しいです。
数学って小難しいイメージが先行しがちですが、意外と面白い一面を持っています。
なお、大学数学は…
ぜひ、身近にあふれる数学の魅力に積極的に触れていきましょう!