突然ですがみなさんは、”センタリング”という言葉をご存知ですか?
センタリングと聞くと、サッカーやホッケーなどをイメージされる方も多いと思いますが、緊張や不安をほぐすためのテクニックにもセンタリングと呼ばれるものがあります。
スポーツ心理学で有名なロバート・二デファー博士が作ったテクニックで、スポーツ選手からアメリカの特殊部隊まで幅広く使われています。
もちろん、スポーツの世界などに限らず、日常生活の中で緊張や不安、強いプレッシャーを感じた時にも有効なテクニックです。
今回は、このセンタリングについて詳しく解説していきます。
センタリングのやり方
センタリングというのは、基本的に以下の3つのステップで行います。
- 呼吸に集中する
- ボディスキャン
- センタリング
以下、一つ一つ詳しく解説していきます。
①呼吸に集中する
呼吸に集中する、もっと言えば、腹式呼吸で吐く呼吸に意識を向けるようにしましょう。
緊張や不安感が高まってくると、私たちは知らず知らずのうちに肺呼吸になり、吸う呼吸が優先されてしまいやすいです。
すると、交感神経が刺激され、より緊張や不安感が高まってしまいます。
そうならないためにも、吐く呼吸からスタートし、肺ではなく、お腹で呼吸するイメージを持つようにしましょう。
腹式呼吸が苦手という方は、胸とお腹に手を当て、胸が動かないようにしつつ、お腹の膨らみ・凹みを感じるようにしてあげましょう。
これだけでも、副交感神経が刺激され、リラックスモードへと突入していきます。
だいたい2~3分程度(時間に余裕がある方はもっと長くてもOK)を目安に行ってあげると、メンタルにかなり落ち着きが見られます。
※呼吸はできるだけ深い方がいいですが、無理に深い呼吸を意識する必要はありません。
②ボディスキャン
次に、ボディスキャンといい、自分の体のどの部分に緊張が溜まっているのかということを意識します。
例えば、足の甲・足首・ふくらはぎ・太もも・腰・お腹・背中・胸・首・肩・腕・手のひら・手首・顔…
と、体の様々な部分に意識を向けていき、体のどの部分にどのくらいの変化が起こっていて緊張が溜まっているのかを観察します。
※個人的には、体の下or上から順に観察していくイメージを持つと、行いやすいです。
そして、緊張が溜まっているなと感じる部分があれば、ゆっくりとした呼吸に合わせてその部分をリラックスさせるイメージを持ちましょう。
step1で体全体の緊張をほぐしたのに対し、step2では各部位の緊張を入念にほぐしていくイメージです。
緊張が溜まっている部位一つ一つから、緊張をリリースしたらボディスキャンは終了です。
※どこが緊張しているかよく分からないという方もいると思いますが、そこまで難しく考える必要はありません。ここ少し緊張しているかもと思ったら、そこから緊張をリリースするイメージでゆっくり呼吸をしてあげましょう。
③センタリング
いよいよ最終ステップです。
お腹や胸など、自分が体の真ん中だと感じる場所を探してください。
おへその下の丹田を真ん中と感じる人が多いそうですが、自分が真ん中だと感じれる場所ならOKです。
(そこまで厳密に考える必要はありません)
体の中心を見つけたら、そこに緊張や不安、ネガティブな感情が溜まっていると考えてください。
そして、ゆっくりとした腹式呼吸に合わせて、それらを体の外側に向けてリリースしていくようなイメージを持ってください。
これで、『センタリング』は完了です。
センタリングが効果的な理由
たったこれだけで緊張が抜けるの?と思われるかもしれませんが、センタリングが緊張をほぐしてくれるのにはきちんと理由があります。
というのも、step1ではマインドフルネス瞑想、step2ではボディスキャン瞑想、step3ではイメージ療法(step2も含む)と、私たちのメンタルコントロールに使うものを『センタリング』はうまく組み合わせているのです。
これらは、それぞれが科学的に認められた方法であり、うつ病の改善等に用いられているものもあります。
当然、それらをうまく組み合わせたセンタリングは、緊張や不安、ネガティブな状態の改善に有効というわけです。
(組み合わせによってそれぞれの効果が期待できるだけでなく、相乗効果まで期待できます)
緊張や不安を感じたとき、プレッシャーに押しつぶされそうになったときは、ぜひセンタリングを実践してみて下さい
5~10分と短い時間で気軽にできるので、覚えておいて損はなしです。