書評

【書評】終末のフール|今日を生きることの意味を知る物語

伊坂幸太郎さんの作品『終末のフール』を読み終えたので、書評の方をしていきたいと思います。

 

地球が数年後滅亡するとしたら、人はどうする?

そんな終末の地球を描いた本作品。

 

何とも非日常チックな物語ですが、「小説っていいな~」、「伊坂幸太郎っていいな~」と思わせてくれる一冊になっています。

≫伊坂幸太郎のオススメ作品10選

 

 

個人的評価

・読みやすさ:☆☆☆☆

・興味深さ:☆☆☆☆☆

・オリジナル性:☆☆☆☆

・再読したい:☆☆☆☆☆

・知識:☆☆☆☆

総合評価:S

※あくまで個人的評価です。

総合評価についてはS~Dまでで評価しています

 

内容

〇目次

終末のフール

太陽のシール

籠城のビール

冬眠のガール

鋼鉄のウール

天体のヨール

演劇のオール

深海のポール

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは? 今日を生きることの意味を知る物語。

 

小惑星が衝突し地球が滅亡すると言われてから五年が過ぎ、やや落ち着きを取り戻した仙台「ヒルズタウン」の住人たち。

残り三年という命の中で、彼らはそれぞれ何を思い、どう生きるのかを描いた一冊。

 

滅亡は目前。
今をどう生きる?

小惑星衝突の日が迫る……!
その時、人々は何を思うのか

 

感想

本作品を読み終えて一番に思い浮かんだのは「ノストラダムスの大予言」でした。

1999年に人類が滅亡するというなかなかに世間をざわつかせた予言でしたが、現実にならなくて何よりでした…

(現実になっていたら僕は生まれていませんでした)

 

本作品は”予言”ではなく”予告”ということで、リアルな終末期の人間の在り方が描かれていました。

滅亡を目前にした人々の様子からは多くのことを学べ、現実で起きたら自分はどんな感じなのだろうと想像を働かせることもできました。

 

内容自体も8つの短編集という形で構成されており、すきま時間に少しずつ楽しむことができる非常に読みやすい作品でした。

  • 妻の妊娠に産むか産まないかを悩む人
  • 新しい恋愛を求める人
  • 大切な人を失った人
  • 復讐を糧に生きる人
  • 変わらずに生きる人

など、それぞれ異なる心境・状況によるストーリーを楽しめました。

 

中でも自分が面白いと感じたのは「鋼鉄のウール」でした。

この物語では苗場さんというキックボクサーのチャンピオンの様子が描かれますが、彼は地球滅亡を目前してもなお淡々と練習に励みます。

 

そして、そんな苗場さんを象徴する名言がこちら。

明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?

あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?

”今日を生きることの意味”を端的に伝えてくれ、それでいて今の時間を大切にしようと思わせてくれた名言でした。

伊坂作品には数多くの名言が登場しますが、こちらはその中でも一二を争うほど好きな名言です。

≫伊坂幸太郎作品の名言10選

 

 

終末期の人間を描かれた物語ということで、読む前は暗い雰囲気の話かなとも思っていました。

しかしながら、伊坂さんらしい個性的なキャラクターたちによって、終末の中にもどこか希望のようなものを感じることができました。

 

伊坂作品の特徴とも言える爽快感あふれる伏線回収はありませんでしたが、「これぞ小説!」といった小説の醍醐味のようなものを淡々と感じることができました。

ゆったりと小説と向き合いたいという方に、ぜひ手に取ってみてもらいたい作品になっています。

 

〇クチコミ紹介

男性の口コミ
男性の口コミ
どんな世界にだって、全くの絶望はないんだなあ。希望とやさしさが滲む。伊坂幸太郎さんの、死生観が好きだ。やさしい物語。
女性の口コミ
女性の口コミ
とっても良い、読んでて泣きそうになった。人は未来に対して希望を持ってやっと、生きてられるんだと思った。冬眠のガールは、きっとこれから何度も読み返すだろう。出てくる人の心はそこまで語られなくて淡々としてるのに、痛みをひしひしと感じる。なんで伊坂さんはこんなに人の心の描写が上手いんだろう。こんな人になりたい、友達になりたいと思う人物ばかり

 

最後に、本書をオススメしたい人を紹介して終わろうと思います。

〇本書をオススメしたい人

  • 伊坂幸太郎好きの方
  • 終末を生きる人間の様子を覗いてみたい方
  • 人生というものについて深く考えてみたい方

このような人はぜひ本書を手に取って読んでみてください。

 

 

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