「作業するときは、〇色を見ながらした方が良い」
「勉強するときは、〇色のペンを使った方が効率的」
などといったこと、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
実際問題、作業効率を上げたり、頭が良くなったりする色というのはたしかに存在し、様々な研究で明らかになっています。
しかしながら、一括りにこの色で作業効率アップ・頭が良くなるというよりは、「〇〇系の作業の時はこの色、△△系の作業の時はこの色」といった感じで、作業の種類別に適切な色があるということが分かっています。
今回は、特に赤と青という2つの色に注目し、色による作業効率アップ効果についてご紹介していきます。
ブリティッシュコロンビア大学の研究

ブリティッシュコロンビア大学が行った、赤色と青色についてのおもしろい研究をご紹介します。
本研究では、600人の男女を対象に、全員に頭を使うようなテスト(神経衰弱やアナグラムなど、計6パターンの様々な脳の機能を使うテスト)を行ってもらいます。
その際、パソコンの壁紙を真っ赤の場合と真っ青の場合の2つのグループに分けて、その差や偏りを調べました。
その結果、どのようなことが分かったのか?
〇赤い壁紙で作業を行ったグループ
注意力や観察力等を必要とするテストにおいては、青のグループの2倍の成績が出るという結果に。
〇青い壁紙で作業を行ったグループ
思い付きやひらめき、創造力といったものを必要とするテストにおいては、赤のグループの2倍の成績が出るという結果に。
このように、なんと色の違いによって、2倍もの成績の差が現れたのです。
色の効果恐るべしですよね!
注意力の赤とクリエイティブの青

さて、なぜ赤と青という色の違いだけで、上のような結果が現れてしまったのかについて解説します。
まず、赤ですが、これは警戒を意識させる色です。
分かりやすい例で言えば、赤信号やパトカーです。
これらを見ると、みなさん、ついつい警戒しちゃいますよね?
日常生活の中で、私たちは赤が視界に入ると、無意識のうちに警戒を強め、周囲に注意を払うようになります。
結果として、注意力や観察力のアップに繋がる一方で、目の前のことだけに集中してしまいやすくなるので、クリエイティブさは落ちるというわけです。
一方の青ですが、これは落ち着きをもたらす色です。
海や空を想像してもらえれば分かりやすいと思いますが、これらを眺めていると、次第に心が落ち着いてきますよね。
このように、青が私たちの視界に入ることで、私たちは緊張(集中)状態から解き放たれ、一歩引いた視点で物事を見ることができるようになります。
結果として、程よく注意力が拡散され、目の前のことに対する注意力や観察力は低下するものの、クリエイティブさは上昇するというわけです。
※赤色は一点集中で注意力(集中力)が上昇、青色は全体的に注意力(集中力)が上昇といった感じです。
つまり、
目の前のことに注意して作業しなければいけないときは、赤色を見る状況を作りながら作業をした方が良い。
新しいことを思いついたり、何か革新的なアイデアが欲しかったりするときは、青色を見る状況を作りながら作業をした方が良い。
ということです。
たかだか色と思わず、ぜひ作業に合った色選びを、可能な範囲でしてみて下さい!
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